「マインドフルネス」と言う言葉をみなさんはご存知でしょうか。ニュースなどを見る方はおそらくご存知かもしれませんが、言葉は聞いたことがあるけど、どんなものなのかちょっと。。。と言う方もいらっしゃるかもしれません。
仕事でも趣味でも家庭のことでも、ちょっとしたことが気になりはじめると、なかなかやらなければいけないことが手につかなくなったり、遅れてしまったり、最悪は考えることさえも嫌になってしまうことってありますよね。うまく割り切って先に進めればいいのですが、そうも行かないこともありませんか?
今回は「マインドフルネス」がどういったもので、どのように活用されているのか、どんなメリットがあるのかをご紹介していきたいと思います。
目次
マインドフルネスって?
マインドフルネスとは簡単に説明すると、将来や未来がどうなるかとかそんなことは置いておいて、今という時間に「心をとどめる」「気がつく」「注意する」ということを意識的に実践するという行為です。やり方は様々ありますが、簡単に説明すると、禅と同じく「静かに座り、自分の呼吸に意識を集中させる」だけです。仕事や生活の中ではいろんなことを同時に考え、頭の中がパンクしてしまいます。マインドフルネスを実践することでそういった考えをリセットして呼吸に意識を集中させるのです。
マインドフルネスは仏教の言葉で念(サティ)という考え方があります。念(サティ)の意味は深掘りすると非常に複雑ですが、もともとの意味を簡単にいうと「憶えること」「心に留めること」という意味をさします。その言葉の英訳がマインドフルネスにあたります。念を深くすること、その実践がマインドフルネスなんですね。
マインドフルネスは上記のような瞑想法で、集中力を高める効果や、うつ症状の改善に効果があると言われています。
欧米でこのマインドフルネスが流行し、世界的に注目されている優良企業であるグーグルやアップル、インテルなどでこのマインドフルネスが企業の経営や研修などに取り入れられていることで、その実践方法に注目が集まっています。
瞑想や禅とどう違うの
ではマインドフルネスが昔から取り入れられている瞑想や仏教の「禅」とどう異なるのでしょうか。結論からいうと、実践する内容はそこまで変わりありません。マインドフルネスで実践される「呼吸に意識を向け、今ある自分に気を向ける」行為自体は瞑想や禅と変わりません。
大きな違いがあると言えば、これまで実践されてきた瞑想や禅から宗教の考え方などを取り除いたものがマインドフルネスと言えます。そのため企業への適用が盛んに行われることになったとも言えます。
宗教は個人の自由、しかしその考え方を企業に取り込むのは良いものであったとしても非常に難しいものです。
しかし実践方法だけを取り出し、物事をシンプルにしていくという考え方だけ適用させることにより、企業への転用ができたと言えます。
マインドフルネスの目的
マインドフルネスの目的は心の雑念を取り払い、今に集中することによって仕事や作業のパフォーマンスをあげることです。また、シンプルに考えることによって経営課題を解決するのにも役立つでしょう。
では禅とどう違うのかというと、妙心寺退蔵院副住職の松山大耕氏が現代ビジネスのコラムで面白い記事を紹介されています。
マインドフルネスと禅の違いについて、ランニングを例にたとえていらっしゃいました。これは非常にわかりやすい例です。
ランニングをするときは「痩せたい」とか「体力をつけたい」という目的が存在します。それがマインドフルネスであり、禅とは禅を行う事自体が目的であるという大きな違いがあるのです。
禅は仏教の教えであり、悟りを開くための実践です。悟りとは誰も知らない境地であり、それを求め、近づいていくことが目的なのです。
マインドフルネスの効果
マインドフルネスを実践すると次のような効果があると言われています。
- 集中力が高くなる
- 考えが整理され、洞察力や直感力が高まる
- 創造力が高まる
- 睡眠の質がよくなる
- ストレスが軽減する
しかし、マインドフルネスが取り入れられたのが近年であることから、長期を考えた時にどう効果が継続するかはしっかり見極める必要があると言えます。そのためまだまだ研究開発を進めていくべき分野の実践方法であると言えます。